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2012年6月4日月曜日

【コラム欄】マイドク法という提案




お初にお目にかかります。





どうも、こんにちわ。




muffのカナーケンこと金澤憲人です。


mufufutimes月曜日は私が担当いたします


よろしくお願いいたします。


これから定期的に
ニッチもサッチもアッチにもコッチにも行かないような
どうしようもない駄文の数々でキロバイトの膨大な無駄使いをさせてもらおうかな。
しかしただ読んでほくそ笑むくらいはせめてして欲しいな。
などとウダウダ思っている次第です。


一応テーマとしては




「くだらなくも憎めない、ムフフな新しい可能性の提案」


です。


やたら壮大な感じも否めないですが、
あくまでも目標にしていこうかなと。


以降みなさんに、お見知り置きと
暖かな目による慈愛からなる刮目があらんことをお祈りしています。


観てもらわないと始まらない


堅苦しい前置きはこのくらいにして


唐突ですが、
まずはの動画の1:45~3:32をご覧頂きたい。

(※一部大変ショッキングな内容を含みます。心臓の悪い方は、音量を絞る等し、十分にお気をつけください。)


鑑賞お疲れ様でした。


ご覧いただいた映像は
1984年にニュージーランドで製作された
デイビッド・ブライス監督によるホラー映画
「マイドク」の予告編である。



「マイドク」




この4文字のタイトル自体に独立した意味は何も無い。
本編にもあったようにすでにお分かりだろうが




いかにしてマイケルは
ドクター・ハウエルと改造人間軍団に
頭蓋骨病院で戦いを挑んだか


という長々しい原題をわずか4文字へと強引に略したもの
それが「マイドク」なのである。
ほんと、ただそれだけ。
しかも正式なタイトルだ。




「頭蓋骨病院って何なんだよ」






とか、






「マイドクって、結構前半の四文字じゃねぇか。」


とかそういうツッコミはとりあえず置いときましょう。


そう、ぼくは衝撃を受けた。


この「マイドク」というタイトルは
とても衝撃的かつ挑戦的である
と個人的に思えてならない。
(内容は正直言ってうだつの上がらない三流ホラーだけど)


その理由としては



  1. 単語ではなく文章を略してしまっている
  2. そしてその文章は死ぬほど長い
  3. タイトルから読み取れる情報をことごとく無視している
  4. そうして略されたものが愛称ではなく正式なタイトルである


と言ったところだろうか。



「いま、会いに行きます」=「イマアイ」





「ハチミツとクローバー」=「ハチクロ」





「花より男子」=「ハナダン」








いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか」=「マイドク」


改めて言うが、マイドクは正式なタイトルである。
日本の錚々たる恋愛映画3つの略称と並べ立てると殊更その異質さが浮き彫りとなる気がする。
このタイトルはいわば略称界の出来事として最もセンセーショナルな金字塔のひとつであると言えるだろう。


マイドクってみればいいじゃないの


最近では何にせよ言葉を略したがる風潮にあり、その略し方は様々。
節ごとの頭文字をアルファベットに変えるやり方もあれば(AKB、MLB)
大胆に単語の最初の文字だけで終わらせてしまう方法も昨今見受けられる(ただいま=た、おかえり=お)。





その方法のひとつに「マイドク」的な手法を組み入れてみれば、日本語の新たな側面が浮き彫りになるのではないだろうか?と筆者は考えた。






やり方は簡単。
とにかく長めの文章を意味なんか気にせず強引に四文字に纏めればいいのだ。
先ほど観た予告編風のやたらコテコテなナレーションの感じで脳内変換しながらお楽しみください。



  • 「成り行き任せの恋に落ち  時には誰かを傷つけたとしても  その度心痛めるような時代じゃないby  名もなき詩」=「ナリコイ」



名曲中の名曲の中の有名な一節も、マイドク風にすると、肩の力がとれてあたかも土曜の23時くらいに小森純が司会してそうな薄味恋愛バラエティっぽくなり、違った一面を見てとれるようになる。ほんとおもしろくなさそう、ナリコイ。


  • 「それぞれの野望を絶やすことなく、その道を突き進むことをここに誓え!!byウソップ」=「ソレココ」



漫画界の巨頭、ワンピースの人気キャラウソップの涙無しでは読めない名台詞も、マイドク風にすると、物がどこにあるか聞かれた時の返答のように気の抜けたものとなる。しかしその略称の裏にはとてつもなく熱い思いが隠されていることを忘れてはいけない。


  • 「金に目もくれない人はいくらでもいるが、金の与え方を心得ている人は、ほとんどいない。byロシュフーコー」=「カネカネ」


フランス史上きってのモラリストが人の金銭感覚を痛烈に皮肉った名言も、マイドクの魔の手にかかればセコいナニワの商人の口ぐせかのように成り下がる。略称は時に便利さと引き換えに、危険な諸刃の剣となってしまうこともあるのだ。



  • 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」=「ルルルル」


荘厳でどこか固いイメージの日本国憲法前文も
マイドクれば一気に柔和かつフレンドリー
しかも「あっ、平和な日本だといいなってことだね☆てへぺろっ☆」と、
なんとなく頭の弱そうな人でも
理解してくれそうな感じがするところもなんとなくいー感じ☆だ。


まとめ:何でも略せばいいってもんじゃない。


「何個か例を挙げてみて分かったことはただひとつ。略称には限界がある。ということだ。略すだけで文の意味さえも間違って伝わると、みんなってしまう。しかし、冗長でくどくなりがちな日本語文に一服の清涼剤と成り得る手法として、これからも注目はしていきたいものだ。」=「マイドク」






ちなはう(ちなみにこの人がドクターハウエルです。)




提案の月曜日,カナザワケント