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2013年5月28日火曜日

タネの話:後編「たとえキ○タマをとられようとも」

どうもこんばんわ、最近は新茶の製造でmuffフジモトと日々、茶畑と茶工場をかけずりまわっておりますツノダです。


さて前回の特集記事「タネの話 前編」でF1種とはどういうものかということをわかりにくく説明いたしましたが、

後編である今回は、そのF1種はどのように作られるのかというところをまたまたぼくなりにわかりにくく綴ってみたいと思います。

準備はよろしいでしょうか。


F1種の作り方 その1:除雄


まずすべての説明の前に断っておかなければならないことがあります。

植物は、人間その他動物と異なり、「自家受粉」という子供作りを個体で完結させることができる人間に置き換えるとトンデモないことをしでかします。

はっきりいって人間に置き換えて考えると、もはやそれは完全体であり、凹と凸がガプと一つになったかのような存在です。

絵にしてみるとこんなかんじ

自分だけで子供つくれる 
自分で描いていてあれですがめちゃくちゃわかりにくいです

が、続けます。


そう、除雄とはこの左半分のオスの部分、つまり雄しべを取り除いてしまうこと。そしてほかのとこから交雑させたい雄しべを持ってきてそこについている花粉を、半身残され寂しくしている雌しべにこすりつけるという、

いたってシンプルなF1種の作り方です。ちょっと力づくというか、かなり強引ですね。
人間に置き換えるともう裁判沙汰です、たぶん。


絵にしてみるとこんなかんじ

雄しべが取り除かれ、掛け合わせたい品種の花粉を受粉させる


絵が下手ですね。

めちゃくちゃわかりにくいですが、まあ、こんなかんじです。


F1種の作り方 その2:自家不和合性


除雄、という方法はシンプルでわかりやすい、がしかし、ひとつずつ雄しべをとっていくのははっきりいって非常にめんどくさい。

ということで、人間は自家不和合性という性質を利用するために「クローン」を生み出すことにしました。

植物の中には自分の花粉を受粉する、つまり自家受粉するのを嫌がる性質をもった植物がいます。

自分自身で子供つくるより違う人と子供をつくりたい。そういうことです。すごく気持ち分かります。

この性質を「自家不和合性」といいますが、これはなぜか幼少期(つぼみのとき)には発現しない、というなんというか、えー、なんとも怪しげな性質を併せ持ちます。


絵にしてみるとこんなかんじ
 

…まあなんとなくわかりますかね?


花が開き成熟すると自分の花粉が嫌になる、そう、嫌になるその前に受粉させてしまう!

つぼみをこじ開け、そこに自分の花粉を無理矢理つけて受粉させてしまう



もうむちゃくちゃですね。



すると、望んでいないはずの自分の「クローン」のタネが大量にできることになる。

このタネを使い、畑一面クローンで埋め尽くすと、雄しべをひとつひとつ取り除く事なく、自家不和合性が働き、つまり廻り一面自分だと勘違いしてまったく受粉しない畑が出来上がるのですね。


で、そこに交配させたい種類の植物をもってくれば、F1種のできあがりと、いうわけです。








いやー、なんか疲れましたね


もうひとつ、F1種の作り方として「雄性不稔」という雄しべがそもそもはじめからない、という突然変異型の種を増やしまくってしまうたいそう物騒な作り方があるのですが、疲れたのでまたの機会にします。

「続・タネの話」をお楽しみに!それでは!



金玉をつかって病気をなおす医者もいる


ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト