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2012年10月31日水曜日

【取材:丹波】やまひで猪肉店の話②おっちゃんは一体何者なの

~前回のあらすじ~

愛犬チャイ用の猪肉&鹿肉をもらいにボロ家から車で5分の
ところにある「やまひで猪肉店」を訪れたフジモトとチャイ。
目の前には大きなイノシシが解体される光景が!
第1話 やまひで猪肉店に行ってきた




第2話:おっちゃんは一体何者なの



(前回の記事の解体されるショッキングなお肉の光景を見て)


フジモト     これは!!もしかしてイノシシですか?!

 

おっちゃん  そうやあ、今日の11時にシメてきたやつやあ

 

フジモト     山で猟友会の人が撃ってきたやつですか?

 

おっちゃん   いやこれは違う。これは罠で獲ったやつや。これでもまだ小さい。 
        5、60キロやな。

 

フジモト     大きいやつだったら大体何十キロぐらいになるんですか?

 

おっちゃん  そうやな、わしは一回、山で130キロのやつを仕留めた 
          ことがある。若い時分やで。

 

フジモト    つまりこれの約2倍ですか?すごいなあ・・・

 

おっちゃん  この今さばいとるシシも、わしがわざわざ仕留めに行って 
          ここに持って帰ってきとるわけや。

 

フジモト     えっ?おっちゃんがイノシシをシメにですか?

 

おっちゃん  そうやあ。下手なやつがシメた肉はわしは一切扱わん。
          銃で撃ったやつなんて肉がボロボロになっとる。
          追い込む犬が噛みまくっとるしな。
         わしはどんなシシも一撃で仕留めるから肉がキレイんや。


フジモト     どんなシシも一撃でですか!?


おっちゃん  そう、一撃で。


フジモト     ど、ど、ど、どうやって?


おっちゃん  ここを叩くんや
            (おっちゃんは自分の眉間を指差した)


フジモト     いやいや、おっちゃん、そんな、まさか、あっちはどんな様子なんですか?


おっちゃん  怒っとるう。シシはなあ、わしがこしらえたワイヤートラップ
          に足かかったらもう抜けへん。
         ただ、全身の毛を逆立たせて向かってきよる。
         向かってきたらこれ(30〜40センチの斧の柄の部分に
      親指ほどの鉛を溶接したおっちゃん特製の斧)で
      「ドン」と叩くんや。


フジモト    ちょっと待ってください、「わしがこしらえたワイヤートラップ」ってなんですか?


おっちゃん  これや。


おっちゃんの特製ワイヤートラップ「ヒデマル」(特許あり)



おっちゃん  わしが作ったんや。特許もっとんねんで。罠かけるときに使うんや。
          みんなこれ使いよるで。


フジモト     おっちゃん・・・自分で罠こしらえて、さらに特許も持ってるんですか・・・


おっちゃん  そうやあ、猟師50年、罠30年ってところや


フジモト     それで、この罠にかかったイノシシを斧でドンと・・・ほんまですか?


おっちゃん  ほんまやし、一撃で、や。


フジモト     このおっちゃん・・・一体何者・・・なの・・・



おっちゃんこと山内さん。御年72歳には見えない。声も大きい。腕も太い。




つづく

ど田舎の水曜日,フジモトユウキ