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2013年3月26日火曜日

【コラム欄】ホームレスが家について考える



ごきげんよう、ホームレスツノダです。
私はいま、熊本の漫画喫茶にきています。

昨日、3ヶ月過ごした橋の下の寝床を解体し、今朝、熊本に遊びにやってきたところ
記事を書かねばならんということを思い出してしまい、ここ、自遊空間に飛び込んだというわけですね。

先週で最終回を迎えたホームレス実録シリーズはこちらです。

【実録】ホームレスはじめました(前編)
【実録】ホームレスはじめました(後編)
【実録】ホームレスの衣食住 〜その「衣」〜
【実録】ホームレスの衣食住〜その「食」〜
【実録】ホームレスの衣食住〜その住〜


振り返るとなかなかの長編ですね....

このホームレスシリーズのおまけとして、本日はここ熊本の漫画喫茶で「家」について考えてみようと思います。




家とはなにか



昨日の寝床解体は非常に感慨深いものでした。

ぼくは人生で6回、今回タンヴァへの引越しで7回目の引越しとなりますが、
今回がダントツで泣けた。

家に対して「ありがとう」とはじめて思えたかもしれません。


そうです、ぼくはあの橋の中の住処を完全に「家」 と認識していました。



家の意味を調べてみると
【意味】 家とは、人が住むための建物。住まい。家屋。生活の中心となる場所。

 家の語源を調べてみると、
「い」が「寝る」を意味し、「へ」が「戸」に通ずるとする説。
「い」は接頭語で「へ」は容器を意味し、人間を入れる器を意味する説


 なるほど寝る場所のことをいうのか、というかんじですが、あと一押しパンチがないように思えます。

ぼくはこの家の意味に「人が帰る場所」というのを付け加えたい。



友人と新宿やらどこそこで酒をのみ酔っ払ったとき、ぼくはホームレス生活最初の1ヶ月ほど、

「うわぁ、いまから帰る場所橋の下かぁーまじかー嫌だなーーーーー

と思っていました。

が、不思議なもので、河辺までくると妙に落ち着く、という変な感覚を覚えました。

「あぁ、帰ってきたなぁ」と思うんですね。


そしてそれが数回つづき、ホームレス生活2ヶ月を超えたあたりから、

もうはっきりいってルンルンで帰ってました。


「はやく帰って寝たい」と、普通にそう思うわけですよね。


そう、つまり、家とは「酔っ払ったとき、はやく帰って寝たいと思う場所」のことをいうのではないか。


安心できる場所、身をゆだねれる場所、帰り着いてホッとする場所、それが家なのではないか。

そしてそんな場所は橋の下でもつくれた。

ホームレス生活3ヶ月でわかった最大の事柄、「家は橋の下でもつくれる」。

当たり前のことを実感できた最高の3ヶ月でした。





ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト