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2013年2月14日木曜日

【小説】泡になりたい、君と。〈No.1 プロローグ〉


【小説】泡になりたい、君と。〈No.1 プロローグ〉


   世界なんてものは恐ろしく曖昧に出来ている。もちろんそこに溶け込む人間なんてものはもっと曖昧に生きている。僕はこの人生において色々と考えすぎていたようだ。この世界に責任なんて堅苦しい権利や義務は必要ないのかもしれない。いとも簡単に、あっさりと消すことができる責任なんて不必要だったのだ。生きることは単純で至極明快なことそのものだ。僕はようやく自分という存在の責任を解き放つことができた。もっと実直に生きよう。僕はおそらく人生で初めて足軽に部屋を飛び出し、迷うことなく外に向かった。



   午後二時。僕は近所の大きな交差点に掛かっている歩道橋で黄昏ている。それだけだ。至ってシンプルな日常。信号が青に変わる。それとほぼ同時に片方の時間が止まり、そしてもう片方の時間が動き出す。僕はそんなくだらない小さな空間の動きに目を凝らしている。何を学び取るでもないが僕にとってこの一連の動きがやたらと胸の奥を熱くさせるのだ。顔をあげるともちろん太陽が視界に姿を現す。今日の太陽も相変わらず僕と目を合わしてはくれない。そんなことで悲しんだりするほど心を病んだりはしてはいない。ただ少々いつもの僕ではないような感覚を覚える。ただそれだけのことだ。 
   


   たった数秒前に僕の肺をくぐり抜けて、口から出て行った二酸化炭素はもうどこまで天に近づいただろうか。目を瞑ると今まで気づくことのなかった風の存在を知ることができた。それもどうやらひとつではないようだ。右後ろからやって来たかと思うとまたすぐに正面からやって来ては僕を打ちのめそうと牙を剥く。しかし僕はといえば大してそいつらに敵対心を持つことはない。意外とのんびりとした心持ちで彼らを対処することができた。 


   何かを得るためには何かを捨て去らなければならない。それは絶対の法則である。自分の選択は他者による選択ではない。外的要因に惑わされて決断をすべきではないのだ。つまり選択の意思は他者との介在によって判断を仰ぐことではないのだ。自分自身で全てを決めることなのであり、つまり責任は全て自分ひとりに振りかかるものなのだ。

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muffノムラです。
今年もよろしくお願い致します。

今年は小説というか、文章を書いていく一年にしたいと思います。


不安定な木曜日, ノムラカズユキ

2013年2月13日水曜日

【タンヴァのひと】ヨシズミという後輩①はじめに

明けましておめでとうございます。
お久しぶりです。
今年もよろしくお願いいたします、 ど田舎の水曜日担当、フジモトユウキです。

年末から旧正月までの長いようで短かった冬休みが終わりました。
みなさま、お元気だったでしょうか、こちらタンヴァ(丹波)は非常に寒いです。

ですが、ぼくはまるで冬眠から目覚めた野熊のように、
うおーと雄叫びを上げ、山々を全力で走り回るような

そんな感じで頑張っていきたいと思います。

ちなみに今年もぼくは「ど田舎の水曜日」らしく、ぼくの今住んでいるタンヴァ(丹波市)から
の新鮮な話題を中心にデジタル自治報っぽく発信していきたいと思います。

よろしくお願いします。




↓ むっくり熊さん、今年の第一発目の記事はこちら ↓





ヨシズミという後輩①はじめに



ほぼ毎週金曜日の仕事終わりにボロ家に現れるヨシズミ


「ヨシズミ」という男のことを皆さんは覚えているだろうか。

「昨年夏の夕暮れ、ぼくの住むボロ家トタン屋根の上で、椅子を向かい合わせに置き、最高の
ビールを飲んだ」記事をmufufutimesに掲載したのだが、その相手がヨシズミだ。


↓ その記事がこちら ↓

【企画】家から半径100m以内で一番ビールが美味いと思われる場所でビールを飲んでみた 




上記の記事内でも簡単にヨシズミについて紹介しているが、簡単に箇条書きで紹介すると・・・


・ヨシズミは、大学時代所属していたフォークソング部の後輩。 
・フジモト・カナザワの2つ下、ツノダの1つ下の後輩。 
・今年度から実家の丹波に帰り、地元の金融機関に勤める。 
・ヨシズミが今住む実家はフジモトのボロ家から目と鼻の先の距離にある。


という感じだ。


つまり、年末に4年付き合った彼女にフられたフジモトと、随分前から彼女がおらず、いざ丹波に
帰ってきても友人は都会に出ていたり、休みの予定が全く合わないなどで週末は大変暇である
ヨシズミ 、この二人は・・・


ほぼ毎週一緒に遊んでいるのだ。



これにはびっくりした。

うそだろ、と思った。


昨年末に冬休みに突入したmufufutimes。

そして、旧正月が終え、再始動となり、「はて、この冬休みはどんな感じで過ごしてきたかな」と思い
返していたところ、『ヨシズミと遊んだな』という記憶しか出てこないではないか。


冬は大変寒いタンヴァ。

この冬は特に雪が多かったようなタンヴァ。

都会(神戸や大阪)に出るのも2時間もあれば出れるものの特別な予定がなければ出て行く気になれないタンヴァ。

出会いのまったくないタンヴァ。


この最高の秘境・タンヴァに住む、お互い彼女のいないフジモトとヨシズミ。

「これは仕方のない結論・結果なのだな」

そう思ってぼくは今執筆している。


ただ、ぼくは先ほども書いたが、

今年もぼくは「ど田舎の水曜日」らしく、今住んでいるタンヴァ(丹波市)からの新鮮な話題を
中心にデジタル自治報っぽく発信していきたい。


これまで、タンヴァの猪肉職人:やまひで猪肉店さんや、
三重県で自然栽培で柑橘類を育てるはまぐち農園さん
などに取材してきた。

その活動は非常に勉強になったし、なによりも楽しかった。


幸運にもタンヴァには非常に魅力ある人が多い。

そんな方々に色々お話を聴いて、みなさんに紹介したい。


でも、まあ、徐々に頑張っていこう。

手始めに、「タンヴァのひと」には変わりないヨシズミで練習しよう。


〜来週の記事予告〜
【タンヴァのひと】ヨシズミという後輩②
独占インタビュー記事


お楽しみに。


ど田舎の水曜日,フジモトユウキ




2013年2月12日火曜日

【実録】ホームレスはじめました(前編)



みなさま、あけましておめでとうございます。
(ご存知かとは思いますが、mufufutimesは旧暦を採用しているため、2月10日が元日となります)

旧年中の大変なご愛顧、誠に感謝しております。
今年もmufufutimesをどうぞよろしくお願い致します。

また、このように元気に新年を迎えれたことを心より感謝している次第でございます。



ホームレスはじめました


さて、

私事ではございますが、昨年末よりホームレスはじめました。

正確には2012年12月21日の16時。住まいとしていた賃貸アパートを解約。
近所の橋の下に寝床を造り、寝泊りする生活をしています。


昨年、我々muffが冬休みに突入する際【お知らせ】mufufutimesは、冬休みに突入いたします。
、このように豪語しています。

冬休み期間中我々muffは休んでいるワケではございません。
mufufutimesの更なるパワーアップを図るべく
現地取材、企画会議等を一丸となって重ねていきたいと思っております。

と。

新年早々言わせていただきます、我々muffをなめないで



ぼくは閃(ひらめ)いてしまった


それは11月のことでした。

はじまりは「冷蔵庫って、要るか?」というモヤッとした疑問でした。

春からタンヴァ(兵庫県丹波市)へ移住することだし、
早々に荷物を送りつけてやって、部屋をスッカラカンにしてやろう

アレもいらん、コレもいらん、もうなんもかんも送りつけてしまえ、と

こうなったら止まらなくなるのがぼくの性分でありまして、
「こうなりゃ引っ越しだふざけんじゃねぇ!」とこう気持ちが昂ってしまったところ、


「あれ?」

と、

「あれれ?」

と、ゾワゾワ〜〜〜!!!とこう、なにかが身体を這い上がってきまして


ポンッと頭の斜め後ろのほうで音がしました。



「え、じゃあホームレスになればよくね?



ぼくは閃いてしまったのです。



ぼくはイメージできてしまった


それから自分をなんとか落ち着かせ、フジモト記者にもホームレスを志す旨を伝えたぼくは、
3日間、ホームレスは可能なのかどうか考えた。

寒さ対策、食事、寝床、電気、風呂、洗濯云々かんぬん諸々考えた。


「寒さはあとで考えよう、食事はまかないがあるし居酒屋松屋なんでもあるわ、寝床はテントさえあればどこでもいけるし、電気?マクドナルドとかどこでもあるな、風呂は銭湯、コインはランドリー、いやいやそうじゃなくて洗濯はコインランドリーですればいいんだ、いやいやいやいややっぱり寒いのが問題だ、寒さ、寒さ、寒、寒い!寒いのは、、、服着て、なんだどうしようかな云々かんぬん………」


そして考え続けること3日目の朝、仕込みの時間に

「いける!」

と、じゃがいもに着いた泥を洗い落としながらそう確信しました。(飲食店のキッチンでアルバイトしてます)


特に根拠はなかったけど、なんとかなりそうな気しかしなかったぼくは、
その日の休憩時間に不動産屋に電話をし、最短での解約日を設定。

晴れて12月21日16時に家が解約され、ホームレスとなることが決定。

クリスマスに間に合った、と安堵したのです。



このときぼくはすでに、いまの生活を完全にイメージできてしまっていたのでした。


(後編につづく)


ぼくの2013年1月のテーマソングとなった「ニットキャップマン」



ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト


2013年2月11日月曜日

【提案欄】火の用心って命令形に聞こえる。だからもう少し丁寧かつ新しい呼びかけにしようよという提案




あけましておめでとうございます。
提案の月曜日担当、カナザワケントです。
今年も愛すべき読者のみなさまの良き暇つぶしとなるような
記事が書けるよう、精一杯四苦八苦いたします。
それでは張り切ってまいりましょう。




火の用心って命令形に聞こえる。


冬の乾燥した時期が訪れるとですね
カチカチと柏木2つを叩きあわせる音威勢の良い掛け声
どのお宅にも届いて参ると思われます。


火の用心ブラザーズのみなさん「ひのよ~~~じん!!」

柏木(カチカチ!!)


この人達のグループ名が果たして火の用心ブラザーズという
どうしようもなくダサい名前なのかどうかは露知らぬところですが


とにかく冬の風物詩ですよね。
子供達が街を練り歩き、乾燥による火災への注意を呼びかけるわけです。



みなさんもそうだと思いますが
私カナザワはそんな子供達が手をかじかませながら
健気に声をあげる微笑ましい光景を見るとつい







汚水を浴びせかけ、
「てめーら命令してんじゃねーよ、ボケ!!!この*♯&m×(放送禁止用語)野郎ども!!!」


と叫びたくなる衝動にかられます。
火の用心とは決まり文句のひとつであると分かっていても
言葉尻の不足感についつい苛まれてしまうものです。


これでは伝えたいこともロクに伝わりません。
何より失礼です。
用心しようにも到底できません。
悔しくて夜も眠れません。


もう少し譲歩できないものでしょうか?
もう少し遜る(へりくだる)ことはできないでしょうか?
少し形式を変えてみるとより良い火の用心の呼びかけになるはずです。
いくつか提案してみましょう。



パターン①元気な男の子主導で、しっかりと丁寧に呼びかける



クラス一の人気者(お調子者)「町民のみな、みなさま~!!どうか火の用心を~!!」


柏木(カチカチ!!)


火の用心ブラザーズ「よろしくお願い申し上げま~す!!!」


これが一番丁寧かつベターです。
呼びかけには元気が一番。
元気があればなんでもできるというイノキイズム満載の手法であり
このやり方でイラッとくる人はいないでしょう。

呼びかけの合間にクラス一の人気者が好きな女の子にちょっかいをかけたり
ちゃらけ過ぎて肝っ玉かあさんの怒声がこだましたり
しても微笑ましさ倍増でよろしいかなと思われます。


パターン②日本人特有の国民性を取り入れ、かつ丁寧に



自治会長「◯◯町にお住まいのみなさ~~~~ん!!!」


柏木(カチカチ!!)


火の用心ブラザーズ「あなた以外の住民は、みんな火の用心を終わらせていま~~す!!」


これはほんとに用心率100%越えも夢ではありません。
自治会長が先頭に立つことで説得力も増加。
日本人の「みんながやってるのなら自分も」という国民性を逆手にとれば
いいのです。



パターン③逆に、火の用心をしなくてもいいよと丁寧に呼びかける




自治会長「◯◯町にお住まいのみなさ~~~~ん!!!別に火の用心は必要ありませんよ~~~!!」


柏木(カチカチ!!)


火の用心ブラザーズ「火事に合わなくても、いつか人間死にますから~~~!!!」



ああ、そうだよなぁ。いずれ死ぬもんな。じゃあ火の用心しなくてもいいか。
と思わせる謎の説得力を持っていますし、自治会長が先頭に立つことで説得力も増加。
しかし納得してしまったあなたはダメ人間の素質大ありです。


パターン④火の用心ブラザーズの恐怖を思い知らせる



自治会長「◯◯町にお住まいのみなさ~~~~~ん!!明朝5時までに火の用心を済ませておいてくださ~~~~い!!!さもないとーーーーー???」


たいまつを振りかざす屈強な火の用心ブラザーズ「あなたの大事なお住まいがどうなっても知りませんよーーーーー!!!!」


恐ろしいですね。
大体映画に出てくる一番悪い奴は敬語でしゃべりますから。
自治会長が先頭に立つことで恐怖も増加。



パターン⑤gmailによる一斉送信




火の用心ブラザーズの内のひとり「火の用心を、よろしく、お願い、します、カチカチっと。送信。(マウス強打)」



合理的ですね。



まとめ:別に丁寧にしなくてもいい。


変な言い方になると、逆に伝わりにくいということが分かりました。
昔からの伝統をねじ曲げると逆におかしくなるということの好例ですね。
変わらないことが何よりも大事なこともあるということです。
これからも温かい目で火の用心ブラザーズを見守っていきましょう。


というわけでこれからも提案の月曜日をよろしくお願いいたします。


たいまつを振りかざす屈強な火の用心ブラザーズ


提案の月曜日、カナザワケント

2013年2月10日日曜日

【お知らせ】冬休み終了、mufufutimes再開





あけましておめでとうございます。



大変お待たせいたしました。







「毒にも、薬にもならないけれど、読むとクスリと笑えます。」
そんなデジタル自治報、mufufutimesは
長いようで短い冬休みを終え




明日、2/11より再開することと相成りました。



プロ野球では12球団が揃って沖縄へキャンプイン。
球春到来への第一歩を踏み出したわけですが



我々も立春から数えて1週間。
沖縄の気候のような温暖かつ心地良い記事をみなさまにお届けするべく
再始動です。




みなさまへのウォーミングアップといたしまして
過去の記事傑作選のリンクを置いておきますので
「あぁ、そういえばmufufutimesってこんなんだったなぁ。」
と寝そべりながらせんべいでもかじりつつ茶をすすり、3連休のお供にぜひお楽しみください。
muff
カナザワケント
ツノダヤマト
フジモトユウキ
ノムラカズユキ