篠山口駅から乗車した夜行バスは新宿に到着。
意識モウロウとする中、キャリーバックと重いリュックサックともにぼくは大都会に捨てられた。
その朝は非常に寒かった。
アゴをガクガクさせながらキャリーバックを引き、逃げ込むようにマクドナルドへ入った。
ホットティーを飲みながら、かじかむ手でパソコンを開く。
そして頭によぎる。
「ああ・・・そうだ・・・今日の夜は大和の寝床で寝るんだった」
facebookで丹波の知人の方に「東京は桜ですね」と教えてもらった。
ぼくはこの日、満開の桜が咲く千葉の河川敷で一日ホームレス体験をした。
muffツノダヤマトの寝床で一日ホームレス体験(前編)
大和と合流
夕方、muffツノダヤマト(以下、大和)から連絡が入った。
「上野公園の桜が満開だよ。花見して行こうよ。」
確かに満開だった。
「なんで?時期早くない?」と一人つぶやきながら大和を探す。
上野公園は満開の桜の見物人でごった返していた。
ぞろぞろ、ぞろぞろ、ぞろぞろ
キャリーバックで何人の足を踏んだかはぼくにはわからない。
交番前で大和と無事に合流。
400円の値段も辛口なスーパードライ(350ml缶)を一本ずつ買った。
桜と無数の見物人をぼ〜っと見ていたら、一人のフィリピン人のおばちゃんに記念写真を頼まれ、大和が撮ると、「ジャア、貴方達モ」とぼくらも撮ってくれた。
実に疲れた。
ぼくは花見をちゃんとしたことがない。
でも花見に憧れる気持ちはあるし、しっかりとやってみたい。
おそらくきっと花見自体がくだらないわけではないだろう。
この日、ぼくがしたのは花見ではなかった。
「花見をする見物人見」だった。
いざ、寝床へ
16時。上野駅から大和の寝床のある南流山駅へ向かう。
途中、電車の中から大きなスカイツリーが見えた。
フジモト「お、スカイツリーやん」
大和「あれねえ」
フジモト「センスないなあ」
大和「そだね、あれならうちからも見えるよ」
フジモト「うち?」
大和「ああ、河川敷から」
南流山駅で大和が約2年の東京生活でできた数少ない貴重な友人のひとり、
ヨシダジュン君と合流した。
一日ホームレス体験の晩餐は、河川敷での七輪を囲んだものらしい。
適当にスーパーで買い物をし、ついに「大和の寝床=ぼくの今日の寝床」へ向かう。
夕暮れの河川敷
着いた
ここが玄関らしい。
急斜面を慣れた様子で降りて行く住人
寝床前の川
寝床から七輪を持って出てきた
庭(寝床の横にある芝生)で晩餐が始まる
寝床と住人
次週、muffツノダヤマトの寝床で一日ホームレス体験(後編)
「夕方から翌朝」
乞うご期待!
ど田舎の水曜日,フジモトユウキ