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2013年5月9日木曜日

【小説】泡になりたい、君と。〈No.11〉


僕は結局家を飛び出した。一人暮らしをしているのでおそらくそれを家出と呼ぶのは適当ではないだろう。しかしなんにせよ僕は家を飛び出した。きっと衝動的に、僕の心が、僕の心臓が、僕の血がそうさせたのだ。僕は何も悪くない。特に意識はしていなかったが、時刻はちょうど11時だった。素敵な時間である。


空は宇宙まで見えるかのように透き通った快晴であった。初夏のまだ心地良い風を僕は飲み込み、吐き出した。僕は自分の生を確かめるようにそれを何度も繰り返し、透明な異物を体の奥深くに擦り込んだ。駅はいつも通りの様相で、僕もまた表向きには社会の中に溶け込む普通の人間を装った。もちろん乗る電車も決めていない。だから来た電車に乗る。そして受動的に座席の上で揺られる。今の所この旅は順調そのものだ。僕は胸の奥から期待という感情の類であろうドロドロとした何かを感じた。宛もなく彷徨う旅が今、始まったのだ。



平凡な景色も車窓というブランドを持てばなかなか捨てたものじゃない。ただ座席の上に座っているだけなのに僕は物理的に移動している。果たしてこの移動が実質的な前進なのか後退なのかは今ここで断言はできない。しかし少なくとも11時にいた場所に僕はもういない。時間が流れるように僕という体も空間を移動しているのだ。アナウンスが次の停車駅を機械的に告げる。徐々にその声が遠くなるのが自分でも分かった。それでも僕は眠りの方を選択肢として選んだ。どこまでも僕は行くのだ。どこまでも、行ってやろうじゃないか。



不安定な木曜日, ノムラカズユキ

2013年5月8日水曜日

【コラム欄】フジモト学生時代の野球部の思い出と髪型〜中学生時代〜

前回の記事はこちら

【コラム欄】フジモト学生時代の野球部の思い出と髪型〜小学生時代〜






中学生になった。
当然のように野球部に入ったがあまり記憶がない。
覚えていることは本当に漠然としたものばかりだ。
たとえば朝練が7時半からあったこと、グラウンドが帰り道にあったこと(通称:2グラ)、監督のヒロハタ(みんなそう呼んでた)がむちゃくちゃ怖かったこと・・・

 
一方、散髪はというと、自宅最寄床屋「ユーカリ」を卒業した。
なぜかというと、子供料金じゃなくなったからだ。
中学生になれば子供料金じゃなくなる、だから散髪屋を変える。
これは非常に理に通った話だ。


そして、ぼくは自宅最寄美容院「スマイル」に通うことになる。


スマイルはセンスのいい美容院だった。
きれいなお姉さんがたくさんいて迎えてくれるし、かっこいいお兄さんが髪を切ってくれた。

ぼくはスマイルに通い出してから髪の毛を出来るだけ立てるようにした。

小学生時代の憧れ・スラムダンクの仙道になりたかった。





憧れの仙道。

バスケ部には入らなかったけど、大好きな仙道の髪型だけは真似したかった。


幸運にもぼくは直毛だった。


だからワックスなどは付けなくても安易に仙道に近づくことが出来た。
きっとワックスなどを付ければヒロハタに怒られただろう。
でもぼくには必要なかった。

小学生時代通っていた「ユーカリ」のご夫婦も、髪を切ってくれるときに「髪の毛が固いね、それに量が多いね」といつも褒めてくれた。


ぼくは髪の毛を仙道と同じく天へ、天へと立てた。立て続けた。

湿気、風などを気にしたことはない。

ぼくの髪の毛はそんな気候の変化に左右されるようなそれではなかった。

本当に、雨の日も風の日も、四季がめぐりめぐっても立て続けた。




すると、もてた。




ぼくは中学生時代の野球部の思い出は本当に少ない。
覚えていない。




なぜか。




きっと女の子のことばかり考えていたからだろう。




白球より女の子を追いかけ続けた中学生時代


県大会優勝!などといった目標を立てずに髪の毛を立て続けた中学生時代



いま思い返すと、なかなかいい中学生時代だったかもしれない。


ぼくの中では合格だ。よく頑張ったと思う。


きっと「スマイル」に満ちた中学生活だったんじゃないかな。



《次週》
フジモト学生時代の野球部の思い出と髪型〜高校生時代〜



ど田舎の水曜日,フジモトユウキ 

2013年5月7日火曜日

【コラム欄】器の穴

ぼくは特別に好きなものがない


それなりにアニメが好きなので、最近は仕事が終わるとアニメばかりみていて、
それもそろそろ満足してきたので、先週までは寝る前の6時間ほどアニメに費やしていたけど昨日からみていない。

昨日おとといあたりからは映画を観たくてたまらなくなっている。映画もそこそこ好きだからだ。

音楽もまあ普通に好きで、一日中聴く事もあるけどまったく聴きたくないときもあって、1週間くらい自分で音楽を聴こうとしないこともざらにあるし、なんなら友人が友人宅で音楽を流しているのを聴くのも嫌なときだってある。

ぼくの友人には音楽好きが多いしレコードだなんだとひたすら聴き続けていても大丈夫、どころか聴いてないと枯れ果てて死ぬのではというような様子でいる。

うらやましいなと思う。


ぼくにはそういうなにかに想いを注ぎ注がれ続けるに耐え得るものがない。

ぼくはすぐからっぽになるしたかだか1週間ほどで満タンになる器の小さい人間なのだ。
それかぼくの友人の器の底に穴が開いてるか、どちらかだ。


思い出した

ぼくは格別に酒が好きなんだった

まさにザルである



つい最近までハマっていたはずの落語(というか談志にハマっていた)も最近はとんときいてない


ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト

2013年5月6日月曜日

【提案欄】ショッピングモールでの初デートで男性がついやってしまいがちな5つのこと



今、ショッピングモールがあつい



日本全国はただいまゴールデンウィーク真っ只中。
今回は最大10連休ということで、
国内、海外旅行をはじめ様々な行楽を楽しむ方々で各所は賑わいを見せております。


そうした中、ここ最近ではショッピングモール及びショッピングセンターの開業ラッシュが連日ニュースを騒がせています。


例えば筆者が住むこちら神戸でも、
「神戸ハーバーランド umie」が4月に開業し、オープン日の来場者数が7万人超と上々の滑り出しを見せたかと思いきや、
開発計画を猛烈なスピードで推し進める大阪梅田でもグランフロント大阪が開業。
こちらもオープンから3日で約12億円を売り上げるなど東京圏のみならず、関西でもショッピングモール熱は収まりそうにありません。



(我らがmuffフジモト、ツノダが働く無農薬・無化学肥料の茶屋「徳寿園」の特別出店がグランフロント大阪「旬食ラウンジ」にて5月は3〜6日まで開催中。是非お立ち寄りください。)


ショッピングモールでの初デートには危険がいっぱい




そんなショッピングモールだが、
とかくデートスポットとしては文句のつけようの無い場所だ。
何せひとつの場所で買い物はもちろんのこと、映画鑑賞、レジャーまでまかなえる。
特にどこに行こうか頭を悩ませがちな初デートにおいて男性への強力な助け舟となることは間違いない。


しかし、だからこそそこには多くの危険が潜んでおり、とかく男性はミスを犯してしまいがちになってしまうことはあまり知られていない。


そこで今回は最近目立つ、男性がショッピングモールでの初デートにおいてしてはいけない行をいくつかピックアップしご紹介します。
あなたは大丈夫ですか?
改めてチェックしてみましょう。


①ずっと駐車場にいる。




実はショッピングモールにたどり着くまでにも危険は潜んでいるのです。
それは様々な自動車の集まる駐車場
特に車好きな男性があれやこれや色んな車をつい観察している間に日が暮れ、女性が知らぬ間に帰ってしまったケースが多い様です。
しょっぱなからつまづいてそのまま起き上がれないパターンはなるべく避けたいものです。自動車への誘惑を断ち、
一目散にショッピングモール内へと向うよう心がけましょう。


②親・兄弟を連れて行ってしまう。




ご自身の誇る素晴らしい家族達を早速紹介したい気持ちもしくは「えええー、お兄ちゃんだけイオン行くなんてズルいよー!!」と拗ねる弟、妹達を放っておけないあなたの家族思いの優しさは本当に見上げたものですが、相手の女性の立場に立った場合は決して良い選択とは言えません。やはりデートなワケですから、二人きりの時間を有意義に過ごしたいと女性は考えています。またこの場合、両親によるスパイ及びストーク行為が後を断たないという報告もされており、やはり初デートへは単身乗り込むべきです。



③周りの人間がどうしてもゾンビに見えてしまい、赤の他人に危害を加える




映画ではかの名作「ゾンビ」、ゲームでいえばデッドライジング」といったものの影響で、いわばショッピングモール=ゾンビ」なる短絡的な思考を持つ男性が増加傾向なようです。改めて申し上げておきますが、この世にはゾンビはいません。あなた以外のお客さんが全てゾンビに見えてしまいついアウトドアショップにあったスノーボードで背中をぶっ叩こうなんてしようものなら、初デートどころかあなたの人生でさえ失敗に終わる可能性が必然的に高くなってしまいます。ショッピングモール内での暴力行為は当然慎むべきです。


④フードコートのテーブルに座り「すいませーん!!」と延々と店員を呼ぼうとする




ショッピングモールに対する知識の無さゆえの失敗も多く散見されます。
例えばフードコート。
多くのフードコートではセルフサービス形式が導入されており、それぞれのお店へ自らが注文に出向かなくてはなりません。
その知識が欠落するあまり、大きな声で延々と店員を呼んでしまった挙句、
「なんて店だ!教育がなってないよ!」と悪態のひとつでもつこうものなら、女性から「常識の無い人」というレッテルを貼られてしまいます。
こうしたケースを防ぐためにも、一度一人でショッピングモールへ出向き、事前の下調べを行うのが良いでしょう。


⑤全裸で行く




ショッピングモールには多くの専門店が軒を連ねており、
確かに必要なものは全て揃うと言っても過言では無いでしょう。
だからといって
「服も下着も靴もぜーんぶ揃うんでしょ?!じゃあ全裸で行ってもいいよね?!」
そうは問屋が卸しません(店だけに)。
もしもそうしたぶっ飛んだ考えの下、全裸でショッピングモールへ向かった場合は、初デートどころかあなたの人生でさえ失敗に終わる可能性が必然的に高くなってしまいます。その度胸は告白の時まで大事にとっておきましょう。


まとめ:ある程度の常識と良識さえあれば十分です。


いかがだったでしょうか。
いくつか当てはまる箇所があったと思われます。
これらを踏まえ、ショッピングモールに来たばかりにハイテンションになり過ぎないことそして紳士的な態度でエスコートしてあげられる程の余裕を持つこが肝要です。初デートを制するものは恋を制する。
ショッピングモールで決して買えないものを手に入れるべく男性のみなさまには是非ともがんばって頂きたいものです。


初デートへは清潔感のある服装で臨むようにしましょう


提案の月曜日、カナザワケント