浅草をご存知か
「浅草」をご存知だろうか。
人力車で込み合う雷門をくぐり仲見世通りを進めば、煙を頭にホイホイしている爺婆が出現し浅草寺がドンと構える。
隅田川の横にはアサヒビールのウ○コがそびえ立ち、いまではその横で大きな顔をしているスカイツリーが見える。
ぼくの知っている浅草はそんなもんだった。
ぼくはこのたび、浅草の違う一面に出会った。
浅草は、それはもうとんでもない呑み屋街だったんだ。
鰻にしばかれハイボールでしびれる
「予算1万円でどれだけ呑み歩けるか」をテーマに、
生活費1万円を預金通帳から抜き取って浅草豪遊ツアーを敢行した。
まずはスカイツリーとウ○コに乾杯。ツアーの無事を祈った。
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缶ビール210円 |
そして前日に予約していた老舗鰻屋「初小川」へ向かった。
(予約する必要なんてあるんかいな、そう思いつつ、「要予約」とあるのでいちおう予約したのだったが、食事中予約なくはいってきたサラリーマンに「予約は?あぁ、今日はもう終わりました」というぶっきらぼうで最高にクールな対応をみて、ほんとに「要予約」なんだと知る。)
外観からして「老舗」である。老舗はこうじゃないといけない、という雰囲気をかもしだしている。
女将らしき人物が店の前に水を撒くことは老舗にしか許されていない。
また店内に入るとなんという空気か!というほどピリッとしている。
要予約の老舗鰻屋は空気から違うのだ。
震える声で日本酒を注文。
まずは鰻の骨をうまいことしたものとお新香で。
鰻の肝焼きが来るのを待つ。
最高であります…
あぁ~んもうだめ、というほどこの時点で雰囲気・酒・アテにしばかれていたのだが甘かった。
まだ鰻を食べてないのだ。
この衝撃的事実に気づいたその瞬間、ここぞというタイミングで威勢のいいおっちゃんがうな重をぼくの前にすべらせていた。
ぼくは死んだ。味なんてもはやどうでも良くなるほど最高だった。
フラフラになりながらお会計に向かいぼくはまた衝撃を受ける。
ここで予算の半分、5,000円ほどは持っていかれるのかしらん、いやもっとかなぁ…と思っていたぼくに「3,700円」とおっちゃんは言うのだ。
1,300円浮いた。
すでに腰は砕け膝はガクガクであるぼくは安息を求め、カフェ「アンヂェラス」に入った。
ハイボール650円 |
ビリビリにしびれた。
涼しいカフェでハイボールなんて、こんなん許されますか。
30分ほど呆けていたぼくはここで大きな決断を迫られる。
浅草観音温泉 or 神谷バー
ぼくは自分を律した。
「攻めろ!しっかりしろ!自分を追い込め!いま何時だと思ってるんだ!」
まだ13時だった。
まだ浅草に2時間しかいないという事実にまた腰をヤラれたぼくだったが、なんとかかんとか立ち上がった。
いざ、神谷バーへ
つづく…
ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト