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2012年9月21日金曜日

【来客は金曜日】病院の隠れ人気イベント、内覧会


*画像は医療機器のイメージ画像です。


初めまして。


先日大学時代の部活の後輩である金澤君からオファーを頂いたので、
今回僭越ながらゲストライターを勤めさせていただきます
松本浩平(マツモトコウヘイ)と申します。


今は医療機器の商社に勤めています。
仕事内容を簡単に説明させていただきますと
全国の500床以上の大きな病院の立替えのお手伝いしております。
昨年までは神戸の病院で仕事してたのですが、無事開院したので今は静岡県の病院をお手伝いさせていただいております。
普段は皆さんもあまり病院に行くことは無いかと思いますので
あまり知られていない医療の事に関して書かせていただきます。よろしく御願い致します。




病院の隠れ人気イベント


実はあまり知られていませんが、新しく病院が出来る際には開院直前に市民の方や希望者、病院のスタッフさん向けの内覧会と呼ばれる病院見学イベントります。
そのイベントの際に、病院内の案内や機械の説明等を担当させていただいたですが、
今回はその内覧会の様子やその際に参加者の方から実際にいただいた質問を紹介させていただく形で医療の事を少しでも知っていただければと思います。




内覧会って参加者何人くらいくるの?


病院にも寄りますが前回私が担当していた病院では2週間くらいで市民の方だけで2000人の方に参加していただきました。私も案内人に選ばれた時は「誰がこんなイベント来るの?仮に万が一参加者がいたとしてもまあ50人くらいだろ。」と多寡を括っていたのですが、意外と参加者が多いです。参加者の半分くらいはそう遠くない未来のお客さんおじいちゃんおばあちゃんです。皆さん最新の設備を見て「これなら何かあっても安心じゃわい」といった声をたくさん寄せていただけるのは病院を造った側の人間にとって大変嬉しいことなのですが、実際は「何か」がない事が御家族の方は一番安心ですので気を抜かずにこれからも元気でいてもらいたいと切に祈ります。




この病院の手術室は外側から教授が見学する窓や観覧席が無いのですか?


この質問は40代前後くらいのお姉さま方を案内中にわりとありました。この質問をされる方ほぼ確実に「ここの病院は~」とつけて質問されるのですが、私はそういった設備がある病院をドラマ以外で見たことが無いので、きっと質問者の皆さんも同じドラマを見ていたのでしょう。親近感が沸きますね。実際は手術室に窓があると結露する、埃が溜まるといった衛生上の理由があるので、日本ではほとんどの病院がそういった設備はありません。(稀にあるところもあるらしいです)








手術中にドクターの汗を拭いてくれる人は本当にいるのですか?


結論からいうと今の時代そんな人はいません。皆さんの御家庭でもこの季節は活躍していることかと思いますが、当然手術室内にエアコンが付いています。当時はそういった職種の方もいたかも知れませんが、エアコンが手術室に設置されるようになってからは、廃業をやむなくされたと考えられます。




太ったふくよかな体型の医者や看護師さんは救急部と手術部などの部門には向かないのですか?


実際は全く逆です。普段から当たり前のように人の生死と隣り合わせにある部門。その中でどんなことがあってもお腹いっぱいご飯を食べることが出来るその胆力こそが冷静な判断に繋がります。いうなれば歴戦の覇者です。もし、あなたが救急車で運ばれ、手術室に搬送される時、薄れゆく視界の中でふくよかな医者や看護師さんを見ることが出来れば、あなたの手術の成功はもう約束されたといっても過言ではない…のかも知れませんね。




新しい手術室は全部屋監視カメラがついてて手術の映像を録画できるのですね


これは看護師の方からいただいた質問です。以下看護師との会話
「新しい手術室は全部屋監視カメラがついてて手術の映像を録画できるんですね~」
「そうなんですよ。もし医療ミスで訴訟になってしまった場合でも、この映像があればスタッフの方を守ってくれる場合があるのでそういった意味でも最近はほとんどの病院でつけてますね~」
「それは安心ですね~。でも困る場合もありますね~」
「どんな場合ですか?」
「こないだ手術中に先生怒って途中で帰っちゃったんですよ~」
「は?」
「そんな映像残っちゃったら洒落にならないですよね~あはは」
「あはは…」
「ほんと笑っちゃいますよね~。うちの看護部の中でもいまじゃ笑い話ですよ」
「…」


いや、全っ然笑えないから
ていうかそれ本当にあった怖い話のカテゴリだから!!
などといろいろツッコミどころ満載の話ですが筆者は怖くてその後患者さんがどうなったか聞くことが出来ませんでした。まあいろいろありますよね。



とまあ実際に私が体験した話をベースに今回だらだらと書かせていただきました。少しでも医療の事に興味を持っていただけた方がおられればこれ幸いです。病院は毎日が生死のかかった命がけの現場。そこは患者医者を始め、誰もが生きるということに対して全力な場所。その場にいる人全員が持てる力を最大限に発揮できる場所を提供することが私の仕事です。仕事量が半端じゃないからおススメは出来ないけど面白い職場です。最後まで読んでいただいた皆様に感謝。



来客は金曜日,マツモトコウヘイ