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2012年7月17日火曜日

【仕事情報】肉体労働の日々[豆腐屋編ー前編]



こんにちは、火曜日担当ツノダです。

今週は「仕事の裏側」をテーマに私の経験した仕事についてお話させていただきたいと思います。


私は昨年、2011年の4月、関西の大学を休学し、震災直後まだ薄暗い大都市東京へ引っ越してきました。

そしてこの一年間様々な仕事を転々としてきました。


豆腐の引き売り、八百屋、日雇い労働各種、イタリアンのキッチンアルバイトなどと並行して
インターンで計2社勤務させていただいていました。

「大学休学してまでなにしてんのこいつ」「せめて関西でやれよ」「意味がわからん」などといった暖かい声が聞こえてきそうですね。


仕事選びの基準として私が設定していたのは「実際なにしてるのかわからないこと」でした。

そして東京にきてまず最初にはじめた仕事、それが豆腐の引き売りでした。



豆腐の引き売り


豆腐の引き売り、といわれてみなさんスッとイメージできますでしょうか。


眉間にシワを寄せて「え、あの、アレ?」と苦笑いをされがちのそう、アレです。

リアカーに豆腐を積み込み「ぱ〜ぷ〜」というラッパの音を響かせるアレです。

ラッパがうるさいと怒られることもありました

ちなみに「ぱ〜ぷ〜」というのは「と〜ふ〜」と言ってるんですね。



さてみなさん、豆腐の引き売り、実際なにしているか想像できますか?


豆腐をリアカーに積んで歩いておばちゃんに売る


はい、

まじで、これだけなんです。

これまじです。

が、今日はこれ、少し詳しくご紹介したいと思います。



豆腐屋の一日


豆腐屋の朝は意外と遅く、朝8時過ぎに倉庫へ出向き発注した商品の検品、リアカーへの積み込みをはじめます。

9時には倉庫を出発し、10時には自分の引き売り歩くエリアへ到着し売り始めるのが理想です。


お気付きですか?


倉庫から自分のエリアまでだいたい1時間(遠い人で1時間半)歩かされるんですね。

距離で言うと平均で5〜6kmくらいでしょうか。


阿呆か。と本気で思いますが、これにはいくつか理由がありまして、

・道中道行く人に売ることができる
・近くにエリアを設定すると売り子の間でお客を取った取られたとの揉める原因となる
・駅での立ち売り販売がかぶらないように
などです。


ひとつのエリアは週に一回、同じ曜日に同じ人が歩き、ひとつのエリアに複数の人間があてられることはありません。
 
muffでいうと、月曜日はAエリアをカナザワ、火曜日はBエリアをツノダ、行って来い!
ってな具合ですね。
 
そのため、完全に個人の努力にまかされ、毎週根気よく歩き続けることで顧客を開拓していくわけですから、別の曜日にたまたまとはいえ、
 
「あー昨日カナザワくんから買ったから今日はいらないわ、また買うわね」
なんて言われてお客さんを取られたらたまらないわけですね。



「自分のエリア」をどうやって決めるのかといいますと、地図を渡され、会社のほうから「この〇〇の1丁目〜6丁目まで歩いて」といわれます。

「え?え、っつと、お客さんとか、え、どう歩いたらいいんですか、え、え…」

と最初戸惑ったことを鮮明に覚えています。


戸惑ってもアドバイスはひとつ「地図みて歩いたらわかるから」

しびれましたね。悪い意味で。



さて、10時にエリアに着くとただひたすら夕方まで引き歩きます。

ラッパをふきながら「おとぉ〜ふぅ〜」と叫びながら、歩き続けます。


商品が売り切れればその瞬間お仕事終了。

とは言えはやくても終わるのは16時ごろ。そこから帰るのにまた1時間、倉庫に帰って検品・次週の発注作業などありますから実際には18時くらいになります。


そして、売れなければ、売れるまで、
 
 
もう一度言います、

売れなければ、売れるまで粘ります。


駅前で21時ごろまで粘ることもままありました。



なんでそんなに頑張るのか。

売れなければ自腹買い取りが待っているからなんです……
 
 
 
 
 
 
少々長くなってしまったので今週はこの辺で、
続きはまた次週どうぞよろしくお願いいたします。

 
引き売りスタイルのツノダ記者
 
 ひとり歩きの火曜日,ツノダヤマト