ありがとうございます、ど田舎の水曜日フジモトユウキです。
最近夜すごい寒い丹波ですが、冷たくなった羽毛布団の中に入れば
「ああ、至極」とばかりに一瞬で眠りに落ちるんですね。
ご体験したいという方がいらっしゃいましたら是非とも我がボロ家にどうぞ。
日本で最も美しい村「京都府伊根町」へ①
先週末、京都府は伊根町にバイクを飛ばして行って参りました。
(本気出しても約60キロしか出ませんぼくのTW200)
丹波からですと下道でも2時間ほどで行けます。
ぼくのボロ家から伊根町まで |
目的はただ一つ、舟屋に泊まること。
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1階は海に面し、船の収蔵庫であると共に2階は住居の役割も持つ伝統的建造物である舟屋 |
今から一月ほど前、ぼくは本屋でひとり立ち読みをしておりました。
なにかの旅行雑誌に載ってたんですね、舟屋の風景が。舟屋の様子と、素朴なお部屋の窓から見える海。
お部屋の窓枠がですね、L判プリント写真の枠に見えました。感動しました。
ぼくは昔から自分の中でビビビと電流が走るようなことが起きると、よっぽどの弊害がない限り、実践させてきました。なにも人様に自慢できるようなことをしてきたわけではありません。あくまでも自分の中で、脳天を貫くような電流と言いますか、いや違うな、「貫く」というようなスパッとした感じではなく、まさに脳天をこねくり回されたような衝動、興奮、「ユウキ、これをしなければいけないんだ!これを見事にやり抜かなければこの衝動は収まらないんや!わかるか、ユウキ?」そう言われたような感覚に襲われるのです。
今回の旅行雑誌に載っていた小さな数枚の舟屋の写真も、ぼくを興奮させるのには充分でした。
あの写真に出会ってからは、仕事なんて手につきません。(社長すいません)
忘れかけていた学生時代、大好きだった女の子を偶然街で見かけたような感覚に似ているのでしょうか、あのコは今なにをしているのか、彼氏はいるのだろうか、また会えないだろうか、そういったことが頭を駆け巡るように・・・
ぼくは舟屋に恋をしてしまったのです。
あのコは今なにをしているのか = 舟屋は年中泊まることができるのか
彼氏はいるのだろうか = 最も近い休みである9/22(土)お部屋は空いているのだろうか
会えないだろうか = ぼくは行ってもいいのだろうか
仕事が終わると、会社のパソコンに向かい続ける日々。
彼女のことを調べるのです。
なるほど、彼女(舟屋)は京都府(日本海)にいるのか。天橋立に近いのね。意外と近いじゃないの。
・・・彼女(舟屋)の所在地がわかりました。
次に年中会えるのかを調べると、「年中会える」とのこと。
もう、ここまできたら、あとは、誰にするかだけでした。
でも、ここに膨大な時間がかかった。
日本海の彼女たちは物静かなコばかりでした。(HPを持たない舟屋ばかり)
伊根町観光協会のざっくりとした宿泊先別の案内を何時間も見る。
3枚ほどの写真と簡単な自己紹介文(住所、料金など)だけでぼくは彼女を決めなければいけなかった。
ぼくは決めなければいけなかったのだ!
この限りある情報の中で、ぼくは妄想を最大限膨らませた。
あんなこと、こんなことを必死に、ひたむきに、淡々と。
そして、決めたのが、『舟屋のお宿 たいせい』だった。
彼女を初めて知ったあのときの旅行雑誌に紹介されていたお宿がたいせいだったのです。
そこに写るお宿を切り盛りするご夫婦の素朴で優しそうな顔が忘れられなかったから・・・
次の日の朝、彼女に電話をした。
まずはおばあちゃんが出た。
「わたすはわからねえから昼に電話をしてくれ」といってすぐに切られた。
ぼくはお昼休みに電話をした。
奥さんが出た。
声からして、あの写真に写る奥さんだと思った。
ぼく :9/22(土)お部屋空いてますか?
奥さん:空いていますよ~
ぼく :あの、海の見えるお部屋は空いていますか?
奥さん:空いていますよ~
ぼく :朝早くから行く定置網漁にも一緒にいけると聞いたのですが・・・
奥さん:ご興味がございましたらぜひどうぞ~
ぼく :美味しそうな朝食の写真を見たのですが、いただけますか?
奥さん:そんな大したものではないですが~
ぼく :浴衣もありますか?
奥さん:ご用意させていただきますよ~
涙が出そうになった。
ぼくはこの日、彼女と付き合った。
つづく
ど田舎の水曜日,フジモトユウキ