午前の光
まるでそれはライブ会場で味わうバスドラムの鼓動が胸を締め付けるような、
そんな感じと似ている気がしてたまらない。
車窓に流れる映像は僕の眼球の奥を指圧するようで、尖がってしまった末梢神経を優しくほぐす。
窓ガラスを突き抜けてくる午前の光は妙に生ぬるく、今にも肌の皮膚組織をくぐりぬけてきそうだ。
だけれどもそれはそれで心地がよい。
今の僕にマイナスイオンなどは必要無いのだ。
このどうしようもない程ゆるやかに流れる時間が、
この世界に存在するという保証があれば、僕の生は満たされる。
不安定な木曜日,ノムラカズユキ