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2012年10月3日水曜日

【観光案内】日本で最も美しい村「京都府伊根町」へ②

本日10月3日は「登山の日」です。「と(10)ざん(3)」

ありがとうございます、ど田舎の水曜日担当フジモトユウキです。

 
お送りさせていただきます。

ああ素敵に違いない舟屋民宿の予約も終わり、準備万端、いざ、出発当日の朝からのお話です。


日本で最も美しい村「京都府伊根町」へ②

盟友TW200にまたがって



9/22(土)朝8時に我がボロ家を出る。はずだった。
前日までに準備は完璧だと思っていた。

なにせわたくしフジモトは、「準備のフジモト」と周囲では呼ばれているほど、
準備には妥協せず、黙々と様々なシチュエーションを考え、準備の準備を重ねるような男だ。

天気予報は、1週間前から毎日のチェックは当たり前。
天気が良いこと、気温が良いこと、約2時間で伊根町まで行けるということから
出発2日前にわたくしは大学時代からの盟友「TW200(中型バイク)」に乗って向かう判断を下す。
(バイク以外の選択肢は軽トラックしかない。)

フジモトの盟友TW200


一緒に向かうのは、りょうこ。

このりょうこが一筋縄ではいかない。

思えばまず、舟屋民宿に宿泊するということから説得が大変だった。

「せっかく私は天橋立周辺のホテルを調べたのに勝手に舟屋を予約した」
「晩ご飯付いてないやん、どうするつもり」
「そもそも舟屋って汚そう」

まるでぼくは今の民主党。責められまくり。
ただ、真摯にわたしはこう答えた。

「せっかく私は天橋立周辺のホテルを調べたのに勝手に舟屋を予約した」
⇒ごめんなさい。

「晩ご飯付いてないやん、どうするつもり」
⇒ぼくが日本海の食材を調達し、部屋で作ります。ガスコンロとかも持って行きますし。

「そもそも舟屋って汚そう」
⇒そうかな・・・

なんとか決議・可決された。



さあ出発だ。

 

出発予定時刻8時。満を持して納屋からTW200をゆっくりと引っ張り出す。

エンジンをかけるためのセルボタンを押す。


かからない。

・・・これはよくあることだ。なんら問題ない。

キックで試みる。


かからない。

何度もキック。これでもかとキック。次で点くだろうと願い、キック・・・

かからない。嘘だろ。

気温はおそらく20℃はきっていただろう。

それなのにわたしは一人汗だくである。

横には寒い目のりょうこがヘルメットをかぶった状態でつっ立ち、こちらを見ている。

ははは、まさかなと思い、ガソリンタンクを開けてみる。



・・・なぜガソリンがない。

なぜガソリンがないのよ。
 
準備のフジモトのバイクがガス欠とかありえるのか。

 
ガスコンロや鍋、あちらでゆっくりと読む本など、準備しておくべき最小限の荷物にまとめて昨日早めに就寝したはずである。

横にいるため息をつくりょうこがついにカバンを下に置いた。

 
まじなのか。

そんなことがあっていいのか、人生。おれの人生よ。

 
揺すってみる。盟友TW200を横に揺すってみる。

いまある力の限り盟友を揺すってみるのだ。

そして、耳を澄ます・・・

かすかに液体の音がする・・・

そうだ、上からガソリンタンクを覗いても見えないだけで微かにガソリンは残っているのだ。

祈りを込めて、もう一度キックに足をかける。

ふう〜っと息を一度全て吐ききる。

信じるしかなかった。

もうこれまでに何度キックを試みただろう。

キックをする方の右足裏がひどく痛む。

でも、本当に、もう最後に、祈りを込めた状態でどうか最後のキックを蹴らせてちょうだい。

一蹴りでいいから。

りょうこのため息をも味方にして、わたしの右足に全てを込めて、そして、蹴った。




・・・ドルン・・・・・!!!





盟友は懐かしい音をあげた。丹波中に轟かせるような音だった。

涙が出そうになった。

火照ったわたしとため息りょうこは盟友にまたがり、ボロ家を後にした。

時刻は8:45となっていた。


つづく


ど田舎の水曜日,フジモトユウキ